ルーテル教会は世界最大のプロテスタント教会であり、伝統的なキリスト教会です。式文(リタジー)を用いて礼拝を行います。

バイブルエッセイ

心の窓を全開せよ!

あなたがた自身、互いに愛し合うように、神から教えられているからです
心の窓を全開せよ! 日本聖書協会『聖書 新共同訳』第一テサロニケ4章9節

今年も、もう1ヶ月が過ぎました。
 1年の暦の上で最も静かにゆっくりと時間が過ぎていくのは、いま迎えたばかりの2月のように私には思えてなりません。空気は冷たいけれど、どこか地の奥深くから春の振動が感じられ......、まだ冬の真最中だけれども、生活の中に春の色が見え始めている......。

 私が今のアパートに移り住んでから二度目の春を迎えようとしています。西角部屋で、南側には農家の大家さんの畑が広がっていて、寒い寒いと言いつつも、畑には次々と新しい命が芽吹いています。
 そんなある日の夜のことです。仕事から帰って来たら、南側の2枚の窓ガラスそれぞれにひびが入っていたのです。「風で石でも飛んできたのかしら......」「それとも、アパート周辺に集まるカラスのいたずら?」。そのときの私には、そのひびが大して気になることでもなく、むしろその原因を探る方が面白楽しく、すぐに何することもありませんでした。ところが、しばらく経ってそのことを大家さんに伝えると「ひびは気圧のせいかも知れない。だけど、地震でも起きたら危険だから、すぐ取り替えるように」とのことで、次の日、硝子屋に来てもらいました。
 暖房を入れている寒さですから、当然私の部屋で1枚ずつ硝子を交換するのかと思っていたら、窓枠ごと2枚を店に持ち帰って交換してくるとのこと!! その間、硝子戸があった場所がすっぽりと外に向けて四角く抜けた状態になってしまいました。どんなにか自分が悲惨な状況にさらされるのかと思っていたら......「あぁ~、何て素晴らしい眺め! 何て気持ちの良い眺め!」 外の畑の風景が、まるで1枚の絵画の様に、はっきりとくっきりと私の部屋に広がっているのです。それも、何にも邪魔されないで。

 普段、窓を開けていると言っても左右どちらかに硝子戸を重ねている分、風景は半分邪魔されていたのです。「私は、今まで一体何を見ていたのか」「私には、本当に外の風景が見えていたのか」そう思った瞬間、「私は自分を取り巻く人たちのことを、今まで本当に見て来ていたのか」「彼等を正しく見ていたのか」と、急に胸が締め付けられたのでした。

 そのとき、私に届いた言葉は『心の窓を全開せよ!』。
 これによって、初めて相手を正しく見て理解し、相手と本当に出会うことができることを教えられたのでした。
(JUN)

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