10.04.02
心の火花
「神よ、わたしの内に清い心を創造し 新しく確かな霊を授けてください。
御前からわたしを退けず あなたの聖なる霊を取り上げないでください。
御救いの喜びをわたしに味わわせ 自由の霊によって支えてください。」
詩編51編12~14節
子供のとき、母の古びた車に乗っていたときのことでした。途中でどこかの店に寄り、再びエンジンを掛けようとしたところ、とうとうエンジンが掛からなくなったのです。母が何回キーを回してもエンジンはなかなか掛からない...。隣に座っていた、当時子供だった私は、「どうしよう...」という不安と共に、恥ずかしい気持ちでいっぱいでした。うちの車は何でこんなに古いんだろうと、新しくて格好いい車に乗れない現実を悲しんでいたそのとき、ある人が現れました。
「何か困っているんですか?」と話しかけてきた見知らぬおじさんは、ついにボンネットを開けてあちこち触ります。すると嘘のようにエンジンが掛かるようになり、母はお礼を言いながら言いました。「これでエンジンはもう終わりかなと思いました」。そのおじさんが去っていくとき言った言葉を今でも覚えています。「どんな車でも小さな火花さえ起こすことができれば、少なくとももう1回、エンジンは掛かりますよ」。
一枚の写真のように私の印象に残っている出来事。その中で聞こえてきた、見知らぬ、あのおじさんの話は、実は車だけに限らないことかもしれません。
小さな火花。もし私たちの中にもそのような火花があるなら、どこででも新しい出発をすることができるのです。今の自分は新車なのか中古車なのか。値段はどれくらいで、どれくらい動けるだろうか。今、自分がいるのはどんな場所だろうか、走り易い道なのか、困難な道なのか。実はそれらよりもっと大事なのが、まずエンジンが掛かるための新しい火花が自分の心にあるかないか...ではないでしょうか。
暖かい風が吹き、新しい命が芽生える春、新しい年度が始まり、新しい人々と出会う4月を迎えました。私たちの心の中にも、暖かい風と共に新しい火花を起こす、神様からの新しい霊が与えられますように。それが「今」を生きるための自分のエンジンになりますようにと祈りながら、また訪れる新しいときを迎えます。 Bon