ルーテル教会は世界最大のプロテスタント教会であり、伝統的なキリスト教会です。式文(リタジー)を用いて礼拝を行います。

バイブルエッセイ

やさしさに包まれたなら

「わたしたちの主イエス・キリストの父である神は、ほめたたえられますように。神は、わたしたちをキリストにおいて、天のあらゆる霊的な祝福で満たしてくださいました。天地創造の前に、神はわたしたちを愛して、御自分の前で聖なる者、汚れのない者にしようと、キリストにおいてお選びになりました。」(エフェソの信徒への手紙1:3−4) 

高校時代、私はユーミン(荒井由実さん)の歌が好きだった。友達とクラスで起こったさまざまな出来事、恋のこと、テストのこと、家族のこと、昨日観たドラマのこと...とりとめもなく話しながら歩いた下校途中の帰り道。ユーミンの曲は少し背伸びをしたい自分たちにぴったりな気がして、私たちはよく歌いながら歩いた。メロディを口ずさんでは、せつなさの少し混じった幸せにほうっとなったことを思い出す。
 "やさしさに包まれたなら"という曲がある。スタジオジブリの宮崎駿氏のアニメ「魔女の宅急便」の挿入歌と言えば思い出す人も少なくないだろう。軽快なリズムに乗せて彼女は歌う。
 『小さいころは 神様がいて 
 毎日愛をとどけてくれた 
 心の奥に しまい忘れた 
 大切な箱 開くときは今 
 雨上がりの庭で くちなしの香りの やさしさに包まれたなら 
 きっと 目にうつるすべてのことは メッセージ』。※
 人は常に心を占める考えや気持ち、態度を外に反映して生きている。外の世界に映るものは、すべて私たちの心の投影である。自分が何を外に見たいか、どんなことを聴きたいかによって、私たちの世界はまったく別の表情で立ち現れてくる。聞こえなかったメッセージが聞こえてくる。
 神様は人間を「愛され愛する」存在としてお創りになった。そう、本当はこの世界は神様のやさしさで満ちている。私たちは、いつ頃からこの愛を信じることに無器用になったのだろう。私たちの心の中には愛ではなく常に怖れがある。そして、それによって過去に支配され、現在を否定し、未来に望みを抱くことができないでいる。
 雨上がりに咲き出でる花の香りにこめられたメッセージを受け取りたい。小さい頃、いや私たちが母の胎にいた時からもうすでに届けられていた主の愛にもっともっと気づいていたい。あなたも私もやさしさに包まれている。あなたもそれを信じてみませんか?
(のんのん)
※JASRAC出1005976-001 るうてる

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